syamu11
1: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:32:27.00 ID:bYGI9ekRd
「ワイが誰かわかっとんのか!? この背中の青龍が目に入らんのか!」
 男は半被を半脱ぎし、わたしに背中を向けて、背中を見せた。
 男の背中に、見事で勇ましい青龍の入れ墨が彫ってあった。
 今にも、青龍が動き出しそうだ。彫り師の業が光っている。
「お前は、ならず者か?」
 わたしは顔を上げて、男の背中の入れ墨を見て、鋭い目つきで男に訊く。
「ちゃうわ! 紅桜の頭、斎藤隆盛(さいとうたかもり)や。兄ちゃん、覚えときや」

2: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:32:58.34 ID:bYGI9ekRd
 斎藤が半被を羽織って、わたしに振り返る。
 左手で鞘を握って、右手に持っている小さな球体を宙に放り投げて遊んでいる。

「紅桜か。聞かない組織だな。この町に何しに来た?」
 わたしは、斎藤を睨み据える。

 ならず者か。わたしは嫌いだ。
 わたしは、将来政治家になり、正しい国を作る。
 動乱の時代を、この手で終わらせる。

3: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:33:30.58 ID:bYGI9ekRd
「兄ちゃん。ワイに口きいとるけど、度胸あんなぁ。本当なら、ワイに斬られてるで? まあええわ。今日は機嫌がいいさかい。こいつを試しに来たんや」
 斎藤は、右手の掌に載っている丸い球体を転がして、嬉しそうにわたしに見せびらかす。

「殺しの道具か? ただの球体にしか見えないが」
 わたしは冗談をかました。鼻で笑って。

「へっ。まあ見とれ」

4: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:33:53.96 ID:bYGI9ekRd
 斎藤は、掌の上で球体を人差指で弾いた。真っ直ぐに飛ぶ球体。
 そのまま球体は宙に浮いて、球体に天使のような羽が生えた。
 球体のお尻から打ち上げ花火のような煙が出て、羽が勢いよく回転しながら、わたしの背後を突き進んだ。
 球体の進路方向に障害物や通行人がいると、球体は真横に避けてゆく。

5: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:34:06.76 ID:K+X8Omh50
意外とセンスある

6: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:34:28.85 ID:bYGI9ekRd
「!? な、なんだ、これは」
 わたしは思わず振り返り、奇妙な球体を眼で追った。

 球体の飛ぶ先に、一軒の大きな飯屋が建っている。
 ま、まさか、あれは爆弾か?
 わたしの予感は的中してしまった。

 球体が飯屋の入り口に飛んでゆき、その後飯屋が轟音とともに大爆発した。
 わたしは爆風で吹き飛び、道の脇に停めてある大八車の車輪に激突する。

7: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:34:58.63 ID:bYGI9ekRd
「なにが起きたんだ!?」
「火事だ! 火を消せ!」
「人が下敷きになっとる! 誰か手伝ってくれ!」
「水だ! 水持ってこい! 火を消すぞ!」

 ここまで熱風が身体を嫌でも撫でる。
 わたしは、跡形もない飯屋を見た。
 飯屋が建っていたところにぽっかりと大きな空間が空いている。

 人々の悲鳴、泣き叫ぶ声、家族を呼ぶ声、迫りくる火の海。生き物のようにうねる火柱。
 建物の下敷きになっている人が叫びながら、手を伸ばし必死に助けを求めている。
 わたしは、惨い光景に思わず顔を背ける。
一瞬にして、辺りが地獄絵図となった。

8: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:35:31.70 ID:bYGI9ekRd
「ごっついのう。木下佑蔵が発明した武器ちゅうんわ」
 斎藤が、跡形もなく吹っ飛んだ飯屋を見て、顎に手を当てて妙に感心していた。
 火事を見て、楽しそうに口笛を吹いた。

 木下佑蔵だと?
 わたしの父だ。
 あの球体は、父が発明した武器なのか?
 父の武器を悪用することは、断じてわたしが許さん。

9: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:35:31.95 ID:wqsi1K3W0
るろ剣と幕末ものの歴史ドラマ見たあとに書いたんやろうな

10: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:35:36.94 ID:0bRlC8Zh0
>>9
るろ剣は本もドラマも面白かったわ

11: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:36:29.12 ID:bYGI9ekRd
「貴様……なにをしたっ!」
 わたしは斎藤を睨み据えた。
 身体を起こそうとするが、大八車に激突した衝撃で、身体中に痛みが走る。
 わたしは肩を押さえて唸った。

「お得意さんから、品をこうただけや。なんや、その眼は!? 思い出したで、ワイの頬に刀傷をつけた奴も、そんな眼をしとったなぁ。まっ、そいつを殺り損ねたけどなぁ。
憲兵団の伊藤ちゅう男や。思い出しただけでも、ごっつ腹が立つで。やっぱ、お前を斬りたくなったでぇ」
 斎藤が鞘から刀を抜き、腰に下げたひょうたんを取って、ひょうたんの口を開け、ひょうたんの酒を飲んだ。
 口に含んだ酒を、刀身に吹きかける。

12: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:36:58.26 ID:bYGI9ekRd
 刀身に酒を吹きかけて、刀身を清めるというのか?
 清めるのは、お前自身だ。斎藤。

「わたしを斬るのか? 丸腰だぞ」
 わたしは肩を押さえて、斎藤を睨み据える。

「関係ないわ。斬りたい時に斬る。それだけや」
 斎藤がひょうたんの口を閉じて、ひょうたんを腰に下げる。
 刃先をわたしに向けて、不気味に微笑んでいる。

13: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:37:34.69 ID:bYGI9ekRd
 わたしは、爆風で大八車から落ちた藁の下に、鞘が見えているのに気付く。
 刀は抜きたくないが、鞘で斎藤の攻撃を凌げるはずだ。
 人は斬りたくない。だが、やるしかない。

 そう思い、動こうと思ったその時だった。

「うろたえるんじゃないよ! うちの魔術で雨を降らすよ! どきな!」

 わたしは、声のする方に向いた。

 爆発で吹っ飛んだ飯屋の前で、バケツリレーで火に水を掛けている町人に怒鳴る女。
 女は振袖を着て、跡形もなく吹っ飛んだ飯屋の前で、煙管を吹かしている。
 物悲しそうに、火の海を見つめて。

14: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:38:05.23 ID:mdDgatqsp
実写るろ剣見た後に書いたのは間違いない

15: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:38:08.06 ID:3ej+71wF0
話自体は結構面白そうなんやけどなぁ
本人ももう書く気がないのがもったいない

16: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:38:15.35 ID:bYGI9ekRd
「興ざめやのう。なんや? あの女は。魔術やて? 笑わせんなや。やれるもんならやってみい」
 斎藤は胡坐をかいて、刀を地面に突き刺し、ひょうたんの酒を飲んで女を見学し始めた。

 今のうちに動くか?
 いや、まだだ。もう少し様子を見よう。
 わたしも斎藤に釣られて、女の様子を見守る。

 女は炎の海に向かって、煙管を吹かしたかと思うと、跡形もなく吹っ飛んだ飯屋の上空に雨雲が発生し、大雨が降り注いだ。
 あっという間に火は鎮火して、煙が嘘のように昇っている。

17: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:38:49.63 ID:bYGI9ekRd
 女は下敷きになっている人に声を掛けて、軽々と屋根を持ち上げた。
 下敷きになった人たちが、町の人たちに助けられてゆく。
 次に女は怪我人たちを見て回り、怪我人の傷を包み込むように両手を翳すと、手が神々しく光り、みるみる傷が治ってゆく。
 女は法力で、怪我人たちの傷を癒して回る。

 思わず斎藤は目を擦り、信じられない光景に目を疑った。
 わたしは、女の力に息を呑むしかなかった。

 その時、女は次の怪我人を治療するため、歩くのを止めてわたしに振り向き、煙管を吹かして何故か微笑んだ。
 そっちは、任せた。ということか?
 斎藤に傷を負わせることは無理だろうが、時間稼ぎならできそうだ。
 あの女に任せれば、大丈夫だろう。
 お前の力で、怪我人を治療してやってくれ。

18: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:39:21.79 ID:bYGI9ekRd
「ほう。あの姉ちゃん、何もんや? 生憎、女を斬る趣味はないねん。女を抱く趣味はあるけどなぁ」
 斎藤は顎に手を当てて首を傾げ、ひょうたんの酒を飲むのも忘れて興味津々に謎の女を見ていた。

 わたしは、謎の女の行動に見惚れていた。
 あの女。ひょっとして、魔術師なのか?

「やっぱ、興ざめやのう、兄ちゃん。こっちはこっちで楽しもうや」
 ひょうたんを腰に下げて、おもむろに斎藤が立ち上がり、地面に突き刺した刀を抜く。
 刀を肩で叩きながら、不気味な笑みを浮かべて、わたしにじりじりと歩み寄る。

23: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:40:43.29 ID:ADMKpCll0
>>18
こいつの書く主人公はいつも女たらし

19: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:39:40.34 ID:TngM+uc50
ちゃんと感嘆符のあとにスペース入れてて凄い

20: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:39:50.62 ID:bYGI9ekRd
 わたしの冷や汗が頬を伝う。
 まだだ、ギリギリまで斎藤を引き付ける。
 よし、今だ。

 わたしは、斎藤が声を上げて刀を振り下ろすよりも早く、藁の下にあった鞘を取った。

「いくでぇぇぇぇぇ! ワイに会ったのが不運やったな!」
 斎藤が奇声を上げて、わたしに向かって真っすぐに刀を振り下ろす。
 斎藤の太刀風が風を切り裂く。

 斎藤の振り下ろした太刀風で、大八車が真っ二つに斬れて壊れた。

21: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:40:21.19 ID:bYGI9ekRd
「なんや。この大八車、盗品の刀が積んであったんか。ふんっ。運が良かったな、兄ちゃん」
 斎藤は刀を肩で叩きながら、真っ二つになった大八車を見て、鼻で笑った。

 斎藤の力量を甘く見ていた。
 斎藤の太刀筋、相当腕が立つ。
 さすが、紅桜の頭、ということだけはある。
 鞘で受け止めれば、間違いなく、わたしは死ぬだろう。
 わたしは、斎藤の太刀風を浴びて壊れた大八車を見て、冷や汗が頬を伝った。

22: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:40:25.73 ID:qqVpuYQz0
これ誰が書いたんや?

24: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:40:47.06 ID:bYGI9ekRd
「そんななまくら刀で、ワイと殺り合うつもりなんか? 人を斬ったこともない青二才が」
 斎藤は刀で肩を叩きながら、腰に下げたひょうたんの酒を美味そうに飲んでいる。
 嘲笑うかのように鼻で笑って、口許の酒を手で拭う。

 わたしは歯を食いしばった。
 こいつ一人が消えるだけでも、どれだけ国が正されることか。
 わたしとて、大学で武術を学んだ身。大学で習った剣術、今こそ実戦の時だ。
 大丈夫だ。死にやしない。わたしには、やることがあるからな。

25: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:41:28.99 ID:bYGI9ekRd
 わたしはおもむろに立ち上がって、鞘からゆっくりと刀を抜く。
 鞘を地面に投げ捨てる。

「ほう。そのなまくら刀で、ワイと殺り合うちゅうんか? ふんっ。おもろくなってきたでぇ」
 斎藤がひょうたんを腰に下げると、腰を低くして、刀を肩に置いたまま構えた。
 片手の指を動かして、来いとばかりにわたしを挑発した。

「わたしの実力、試させてもらう」
 わたしは深呼吸して、顔の前で、握り締めた刀を斜め下に構えた。

26: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:42:04.69 ID:bYGI9ekRd
「ほぉ。見たこともない構えやな。こりゃ、楽しめそうや」
 斎藤が変わらない態勢のまま、鼻で笑った。

 飯屋の火事の鎮火で、町人の歓喜の中。
 ここだけ、空気が重く流れる。
 わたしと斎藤は動かないまま。

 斎藤が僅かに動いたと思うと、わたしに駆けて、一気にわたしの懐に入り、刀を真っ直ぐ振り下ろしてくる。
 わたしは体を捻って、斎藤の刀を避けて受け止めた。
 その瞬間、刀と刀がぶつかり合って火花が散り、斎藤の太刀風がわたしの髪を撫でた。

 斎藤の太刀風で切れたわたしの髪が、はらりと地面に落ちる。

27: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:42:35.49 ID:bYGI9ekRd
「ふんっ。やっぱ、なまくら刀やなぁ。にしても、やるやないか、兄ちゃん」
 斎藤が面白くもないように刀を上げて、刃こぼれした刀身を見て、妙に感心したように顎に手を当てる。

「わたしを斬らないのか? 斎藤」
 わたしも刀を下ろして、斎藤を睨み据えた。
 わたしも刀身を見ると、刃こぼれしていた。

「気が変わったわ、兄ちゃん。もっとつようなってから、出直してき。そん時、本気で殺り合おうや。ワイは、兄ちゃんを気にったで。刀を交えてわかったわ。兄ちゃん、剣の素人じゃないやろ?」
 斎藤が嬉しそうに、わたしの肩に手を回した。

「うっ」
 わたしは斎藤に肩を回され、右肩に激痛が走り、思わず唸った。

28: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:42:45.82 ID:tz1Nw0OJx
今貝塚におるんやけどsyamuさんええとこ住んでるな
二色の浜公園とかめっちゃええやん

29: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:43:07.10 ID:bYGI9ekRd
「すまんすまん。ワイの太刀風で、兄ちゃんの肩を斬ったみたいやわ。早いとこ医者に診てもらったほうがええ。ほなら、ワイは帰るで。またの、兄ちゃん。今度会うのを楽しみにしてるで」
 斎藤はわたしから離れて刀を鞘に納めると、わたしの左肩を軽く叩いて、口笛を吹いて上機嫌で町に消えて行った。

 わたしは、斎藤の背中を見送った。
 いつまでも。

 わたしを斬らなかったことを、後悔するがいい。斎藤よ。
 今度会う時は、お前を牢に入れる時だ。

30: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:43:42.47 ID:bYGI9ekRd
「うっ」
 わたしは、片膝を地面につく。
 右肩から、一筋の血が右腕を伝い、右手の指から血が滴る。
 今頃になって、肩が切れるとは。
 斎藤。恐ろしい男だ。

 右肩の激痛で、わたしの意識が遠のく。
 わたしは、うつ伏せに地面に倒れた。
 砂埃が悲しく舞う。

 遠のく意識の中で、薄目で爆発で吹っ飛んだ飯屋を見る。
 誰かが、小走りにわたしに駆け寄ってくるのが見える。
 着物を着ている女だとわかった。

「だ、いじょう、ぶ、ですか……」
 若い女の声がした。
 わたしの身体を必死に揺すっている。

 わたしは、そこで気を失った。

32: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:44:13.15 ID:3rf9R9Cia
怒涛のひょうたん連呼で代名詞がないあたりsyamuを感じる

33: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:44:13.44 ID:t0i/+oPld
初期ゾッ帝って江戸なのか明治なのかどの辺の時代設定なのかよう分からんけど
路線変更に路線変更を重ねてこの世界が日本じゃなくて異世界ユニフォンって事になっちゃうの八つ当たりばったり過ぎてすごい

34: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:44:43.92 ID:bYGI9ekRd
ゾット帝国親衛隊ジンがゆく!~苦悩の剣の運命と真実の扉~

信二の大学生時代

お菊との出会い

35: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:45:29.77 ID:bYGI9ekRd
 瓦屋根の下敷きになった人が、わたしの目の前で燃えている。
 彼らがわたしに助けを求めて、必死に手を伸ばす。
 白目を剥いて燃えている人が歩きながら叫んでいる。

 わたしは立ち尽くしていた。
 炎が熱くて、近づくことさえできない。

「死にたくない! 助けてくれ!」
 燃えながら苦痛に歪む男。

「身体が熱いよぉ」
 少女が苦しそうに手を伸ばしている。

「誰が火を消してくれ!」
 白目を剥いて燃えている人がわたしの懐を掴む。

 わたしの着物に火が燃え移る。
 手が燃えて、やがて身体が燃える。
 熱い。身体が熱い。身体が溶ける。

「うわぁぁぁぁぁ!」
 わたしは熱くて声を上げた。

37: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:45:34.31 ID:WagCiI94a
カイトのより遥かにマシで草

38: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:45:46.78 ID:3rf9R9Cia
ゾッ帝って西洋なのか和風なのかさっぱりわからん

45: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:47:35.78 ID:svZfmD7v0
>>38
そのときsyamuさんがハマってるものの世界観が反映されるんやぞ

54: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:49:22.11 ID:t0i/+oPld
>>38
更新順に追うと最初は和風の世界というか江戸時代?が舞台の小説なのが
なろうやと人気あるらしいから転生ものファンタジーにするだで!って路線変更してる
これの場合ファンタジー世界のキャラ(カイト)が江戸時代の方に転生するんやけど

39: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:46:01.06 ID:bYGI9ekRd
 そこで瞼を開ける。
 高鳴る鼓動、夢だとわかる。
 汗を掻いているのか、汗で布団が身体にくっついて気持ち悪い。

 さっきの夢が蘇る。
 恐ろしい夢だ。飯屋の火事の光景が、頭から離れてないな。

 見慣れない天井が視界に映る。
 小鳥の囀りが聞こえる。

41: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:46:33.14 ID:bYGI9ekRd
 どこだ、ここは。
 わたしはゆっくりと上半身を起こす。
 辺りを見回すと、ここは日本家屋の客間らしく畳部屋だった。
 客間の縁側の庭先に、竹の物干竿に洗濯物が干してあった。
 洗濯物が、気持ちよさそうに風に揺られている。

 その時、額に載せてあった、白い濡れタオルが布団に落ちる。
 タオルを持つと、ひんやり冷たかった。

42: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:46:44.13 ID:zg3lGAas0
普通に面白くないか?

43: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:47:06.76 ID:g3KC461r0
見るだけで読む気なくすのはある意味天才やわ

44: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:47:17.08 ID:bYGI9ekRd
 わたしは上半身裸で、右肩の傷に丁寧に包帯が巻いてあった。
 巻いてある包帯から、消毒液と薬の匂いがした。

「うっ」
 起き上がろうとすると、右肩に痛みが走り、わたしは唸る。

 わたしは額を手で押さえる。
 斎藤と一悶着の後、わたしは気を失ったのか。
 おまけに熱を出したようだ。少し頭痛がする。

 それにしても、誰がわたしの傷の手当てを?
 もしや、魔術を唱えた、あの女か?
 いや、待てよ。わたしが気を失う際に、女の声がしたような。
 彼女が、わたしを助けたというのか?

46: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:47:46.28 ID:bYGI9ekRd
 今日は何日だ?
 新聞があればいいのだが。
 それより、大学に行かねば。皆が心配している。

 わたしが起き上がろうとした時。
 庭の物陰から、着物を着た若い娘が鼻歌を歌いながら現れた。
 わたしを見るなり、手に持っていたじょうろを驚いて落とす。

「無茶はダメですよ!」
 慌てて縁側の踏み石に草履を脱ぎ捨て、わたしの元へ小走りに寄る。

47: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:48:18.76 ID:bYGI9ekRd
「誰だ!? わたしに寄るな!」
 わたしは、若い娘に近寄るなとばかりに、手で制して若い娘を睨み据える。
 見たところ、彼女は丸腰だが油断はできない。

「わ、私は、あなたを助けた者です! お菊と申します」
 若い娘は、わたしの布団の横で、膝を折って両手を畳に添えた。
 額を畳につけんとばかりに深く頭を下げた。
 まるで、旅館の女将が旅人を歓迎するように。

 ……彼女に敵意はないみたいだな。
 そうか。彼女がわたしを助けたのか。
 ここは、彼女の家か。
 その瞬間、安心したのか、わたしの力が抜けた。

59: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:50:33.51 ID:wqsi1K3W0
>>47
助けてもらったのに感謝の言葉もないのは同じやね

48: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:48:44.48 ID:O0Yc9Xbsd
どの作品にも性欲丸出しなの気持ち悪い

49: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:48:48.16 ID:G/5Aqb5e0
わたしRUSH

50: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:48:50.17 ID:bYGI9ekRd
「お菊か。わたしは大学に戻らねばならん。こうしている間にも、この国は……」
 わたしは無理に起き上がろうとして、右肩に痛みが走り、また唸る。
 わたしは態勢を崩して、片膝を布団につく。
 右肩の痛みを歯を食いしばって我慢し、布団を握り締める。

「大丈夫ですか!?」
 お菊が慌ててわたしの身体を支える。
 心配そうに、わたしの顔を覗き込んでいる。

「なんとしても大学に戻らねば。お菊、わたしの身体を起こせ。頼む」
 わたしはお菊の肩に手を置いて、お菊に縋り、頭を下げる。

51: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:48:55.04 ID:fqcDpOJY0
ゾッ帝完結させたら金になるんか!?

52: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:48:55.18 ID:R0/jj2kda
ゾッ帝ちがくね

55: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:49:41.26 ID:svZfmD7v0
>>52
ゾッ帝のジン編で合っとるで
カイト編のほう連想しとらんか

65: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:51:46.12 ID:t0i/+oPld
>>55
というかカイトでもジンでも読み進めてくといきなり時代小説になること知らん人わりといそう
ゾッ帝で話題になるのだいたいMMDになってるとこだけやし

53: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:48:57.75 ID:svZfmD7v0
ところどころ引っかかる文章あるけど
カイト編の後半に比べると大分マシやな

56: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:49:41.68 ID:bYGI9ekRd
 次の瞬間、お菊が平手でわたしの頬をぶった。
 わたしは唖然として、わたしの眼がさざ波のように揺らめく。

「なにをする! わたしは、一刻も早くこの国を正したいだけだ!」
 わたしは握り拳で、畳を思いっきり叩いた。
 お菊を睨み据える。

「国を正すことが正義なんですか!? あなたは、人一人を本気で守ったことがあるんですか!?
 目の前の人間も守れないで、そんなこともできない人間が、気安く国を正すとか口にしないでください! 目の前で死んでゆく人を見たことがあるんですか! 笑わせないでください!」
 お菊が涙を滲ませて、わたしの前に屈み込む。
 わたしの両肩に手を置いて、訴えるようにわたしの両肩を揺らす。

57: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:50:16.97 ID:bJdXoej0p
中高生が書いてるなろう小説やな

58: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:50:20.30 ID:bYGI9ekRd
「!? 国を正すことが正義じゃない? わたしは、人一人さえ守ったことがない……夢を見ていたのかもな……すまない、お菊。わたしが間違っていた」
 わたしはやるせなくなり俯いた。
 ただ、悔しくて泣いていた。涙の粒が布団に零れ落ちる。
 何度も、涙を手で拭う。

「あなたは、右肩に深手を負っています。右肩の傷が完治するまで、私が看病します。それからでも、話を聞くのは遅くないでしょ?」
 お菊は、わたしの手を優しく握った。
 お菊の口調は優しかった。まるで子供をあやすように。

60: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:50:34.11 ID:sJanDfZr0
ならずもの【ならず者】

①手に負えない者。素行の悪い者。ごろつき。無頼漢。放蕩者。
②生活がままならない者。 「金の才覚-と/浄瑠璃・長町女腹切 中」
③正当な定職を持たず、たちの悪いことをして一般の人を脅かすような者。

61: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:51:01.47 ID:bYGI9ekRd
「ああ、そうだな。わたしがどうかしていた、すまない。わたしは、木下信二だ。世話になる、お菊」
 わたしも、お菊の手を握り返す。
 そして、そのまま命の恩人に土下座をした。右肩の痛みを我慢して。

「もしかして、木下佑蔵さんの息子さんですか!?」
 お菊が声を輝かせて、わたしの身体を揺すり、嬉しそうにわたしに訊く。

「あ、ああ。そうだが……」
 わたしは顔を上げて、訳がわからなかった。
 気まずそうに、お菊から顔を背け、人差指で頬を掻く。

62: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:51:23.62 ID:mpXuWJ0W0
途中でオラとかいう一人称になってなかったか

63: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:51:33.12 ID:bYGI9ekRd
「木下佑蔵さんが開発した武器、凄いですよね! 憲兵団の新聞、毎号読んでますよ! 憲兵団に憧れてて、私、憲兵団に入隊したいんですけど……」
 お菊が表情を曇らせて、わたしから顔を背ける。
 お菊は胸に手を当て、瞳が悲しそうに揺れている。

「どうかしたのか?」
 わたしはお菊の肩に手を置き、お菊の顔を覗き込む。

 お菊は、今にも泣きそうな顔をしている。
 胸に当てた手を握り締める。

64: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:51:45.57 ID:J8mVtGf6d
思ってたよりずっとまともな文章
少なくとも知的障害者ではないわ

66: 大物Youtuber速報 2018/03/04(日) 13:52:14.02 ID:bYGI9ekRd
「実は、おとっつあんが賭博で借金作っちゃって。それで私、大学中退して必死に働いて借金返してるんです。
おとっつあんも、あれから賭博もやめて、真面目に畑仕事してるんですけどね。母は幼いころ病気で亡くなって、おとっつあんが男手一つで私を育ててくれて、本当に感謝しているんです。だから、おとっつあんに恩返しもしたいんです」
 おもむろにお菊が立ち上がり、縁側から庭を見つめた。

 わたしは、寂しそうなお菊の背中を見つめる。

 そうか。
 この娘は、わたしより強い子なんだな。
 それに比べて、わたしは何不自由なく育った。
 わたしの場合、幼い頃から使用人がいたからな。

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