syamu
「もう終わりだで・・・おなかぺこぺこだで・・・」
ずんぺいは間もなく死ぬ。
両親に先立たれ(?)、妹に見捨てられた。
勃起宿舎を追い出されてからまともな物を口にしていない。
「なんでオラを見捨てて死んだだで・・・なんでこんなキモチワルイ見た目に産んだだで・・・」
蚊の鳴くよりも小さなボソボソ声で、今となっては顔も覚えていない両親に悪態をつく。
最も勃起宿舎を追い出されたのはたった一週間前の出来事なのだが。
「もうダメだで・・・誰もオラを可哀想と思わないなんておかしいだで・・・助けて・・・MK・・」ガクッ
最後に口にした名前は、両親でも妹達の名前でもない。
自分を幾度となく騙し続けたネカマの名前であった。
浜崎ずんぺい 享年35歳、遅すぎる死だった。

「あれぇ!?丘people!?」
ずんぺいは目を覚ました。
おかしい、自分はさっき死んだはずだ。
浮遊感を感じ、下を見たずんぺいは自分が空中に浮いている事に気付いた。
更には周りを見ると頭にわっかをつけ、羽を生やした一糸纏わぬ老若男女が共に宙を浮いているではないか。
「おほぉ^~」
可愛い助詞を見つけ子モグラを勃起させるずんぺい。
みるみるうちに勃起モグラは大阪全体を見回せる程の高さまで到達した。
「オイ!これってYO!天国への梯子じゃんか!アッアッアッアッアッ!」
しめた。
オラは天国へ行けるだで!
きっとオラを見捨てた焼肉達は地獄で苦しんでいるだろう。
そんな事を考えずんぺいはほくそ笑んでいた。


「はいはい!君ストップ!!」
ニタニタと気持ち悪い笑みを浮かべていたずんぺいは急に黒いスーツを来た男に足を引っ張られた。
「何をするだで!オラは天国へ行って可愛いOLの助詞にパルムを買ってもらうだで!!!」
怒りで黒電話になるずんぺいだったが、その男が自分より背が高い事が分かるとすぐにウォンツモードに変形した。
「君、浜崎ずんぺい君だよね。35歳で死んだ。」
「ソソソ」
先程とはうって変わって従順になるずんぺい。
「あーごめんね、君の行く先はそっちじゃないんだよ」
「イヤ…オラ…天国………」
「いやだから君は天国へ行けないの」
「ドシテ…オラ…ナンモシテナイ……」
「あの、聞こえずらいから普通に喋って」
男が指をパチンと鳴らすと、ずんぺいのウォンツモードが解除された。
「なんでオラが天国へ行けないだで?オラ何も悪いことはしていないはずだで」
「いやこの書類見てくださいよ、これで何もやっていないってよく言えますねぇ」
男がクリアファイルからホッチキスで留められたA4用紙数十枚を取り出し、ずんぺいに渡す。
「コミュニティクラッシュ罪、自宅公開罪、死の吹奏楽団ばっくれ罪…etc多くの余罪有り。また最大の罪は怠惰と暴食……。」
「納得したでしょ、あっ、自分に悪気が無くても罪は罪ですからね」
「………???」
「まあどっちみちこんな書類あっても無くても関係ないです、天国へは行けませんよ」


「そもそもお前は何なんだで、もしかして神ってやつですか!?アッアッアッ」
男はずんぺいの荒唐無稽な態度にため息をつきながらも話をしだす。
「僕も元人間ですよちょっとあの世の近況を説明してあげますよ」
「いいですか、死んだ人間っていうのはですね。天国へ行くか、地獄へ行くか、また現世に生まれ変わるかの3つなんです。」
「よい行いをすれば天国へ、悪い行いをすれば地獄へ、判断がつかない人はもう一度現世へ」
「ですけどね、この世界に生き物が増えすぎたでしょ?神様も閻魔様も大忙しで、天国も地獄も満員になっちゃったんですよ。」
「なので神様と閻魔様が話し合って天国へも地獄へも行けない人間の枠を作ってそこに永久に魂を閉じ込める事にしたんです」
「一生牢屋に入れられるだで!?」
「魂を閉じ込めるってそういう意味じゃないですよ、簡単に言うと定まった輪廻に組み込まれて、また人間に生まれ変わるんです」
「また生まれ変わるんだで!?」
「そうですよ。そうして天国も地獄も少し余裕を持たせることができたんです」

それを聞いてモグラの悪知恵が浮かぶずんぺい。
(しめしめ、こいつはマウント取れそうだからお願いしてオラをイケメンの金持ちに生まれさせてもらうだで。)
(それで一生パルムをたべたべしながらノビハザをプレイするだで。)
そんな事を考えて軽く勃起するずんぺい。
「納得して頂けたでしょうし出発しますか」
「もちろんだで!!急ぐだで!!」
空中を浮いていた二人は、急激に下降して地の底を目指す。
「お前は元人間なんだで?なんでこんな事してうだで」
「僕もこれ刑罰なんですよ、君みたいな人を案内するっていうね」
「お前も悪いことしただで?悪は嫌いだで」
「僕はですね、真面目に学校へ行って、就職してました。結構良いところだったんですよ?」
「ですけどね、好きだった女の子にフラれたショックで自暴自棄になって自殺してしまったんですよ。」
「オラにはたくさんの助詞のファンがいただで、オラには分からない悩みだで」
「そうですか。ですけどね。いざ死んだ後審判される時になってから自暴自棄の自殺って事故じゃないのって話になって」
「丁度天国も満員だったし温情判決で、5万年この仕事をすれば天国へいけるって事になったんですよ」
「オラももしかしたら働かされるだで……??」
怯えるずんぺい、どうやら地獄の責め苦を受けるよりも労働が嫌なようだ。


「君は天国へいけないんですから労働も何もないですよ」
「オラは…オラは……」
「そういってる間に着いちゃいましたよ、さあここが君の終着点でもあり出発点ですよ」
着いた先は何もないだだっ広い空間だった。
真ん中に大きな穴が有り、穴の中は虚無が広がってい。
「ここはなんだで………」
「君はここに入るの」
男が穴の中を指さす。
「イヤ……イヤダデ………」
「何故です?やっと自分の事に気付きましたか?」
「オラ……ココデ……オラハ………」
ブルブルと震えだすずんぺい。
「そう、ここは君みたいな業人の魂を集め、時がくれば現世に産み落とす、揺りかご。」
「ミンミンミンミン…………」
涙が止まらなくなった。
「時たま君みたいな現実を見ない、思い込みの強い魂が天国の方へ行っちゃうんですよ」
「オラハ……ナンデ……ココニ……ワルイコトシテナイ……」
「確かに君はここに閉じ込められる程悪い事はしてないよ、もう気が遠くなる程昔の君の魂のせいなんだって」

男はずんぺいの肩を掴んだ。
凄まじい力でずんぺいは、抵抗が出来ない。
正しく魂を掴まれたようだった。
「イヤ…イヤ…タスケテ…オトサン…オカサン……」
「また会えますよ。じゃあ来世はちゃんとここに帰って来てくださいよ。」
ずんぺいは男に乱暴に投げ捨てられた。
「ダデェェェェェェェェ!!!!!!!!!!!!!!!」
穴の中へまっ逆さまにずんぺいは落ちていった。

-------------

「ダデェェェェェェェェェェ!!!!!!!」
虚無の中で他の魂の負の感情に晒されるずんぺい。
永遠の輪廻に囚われ続ける程の罪を犯した魂達の、妬み、苦しみ、悩みが魂にダイレクト入ってくる。
「いやだで!オラはまたオラに産まれたくないだで!こんな人生はもういやだで!!!」
「そうだで!!あいつは思い込みの強い魂が時々天国へ向かっていくと言ってただで!!」
「オラは……オラは金持ちのイケメンに産まれ変わって毎日パルムをたべたするだで!!!助詞に養ってもらうだで!!!ノビハザをプレイするだで!!!!」
ずんぺいは己の願望で思考を一杯にして耐え続けた。

どれだけの時間が経っただろう。
ずんぺいは辺りの負の感情が消えた事に気がついた。
暖かい光を感じる。
それに何かとても柔らかい物に包まれている。
いい気持ちだ。
「………マレタカヨクヤッ……」
「……ンキナオトコ…コデス…」
何か人の声が聞こえてくるが小さくて良く聞こえない。
しかし眠くなってきた、少し寝よう。
「………Zzzzzzzz…?」
ふと話し声が聞こえたので目を覚ました。
まだ目が良く見えないが、耳は良く聞こえるようになった。
「この子、ちょっと体が弱いみたい、皮膚も弱くて将来ずっと悩まさせられるかもしれないらしいわ」
「なあに、僕らの子供だ。きっと元気に育ってくれるさ。そうだ名前を決めたんだ。そういう話を聞いてたから高望みはしない、ただ順調に平和に生きて欲しいから」

「”順平”ってどうだろう?」

赤ん坊が大声で泣き出した。

おわり



593: 名もなきゾット帝国民 :2018/06/26(火) 08:57:27 HOST:124-159-51-218.ppp.bbiq.jp
転生がおもしろかった(小並)
順平は順平として何度も生まれて、業を重ね続けて
死ぬたびにまた虚無に落とされて…の繰り返しってことかな
そうだとしたらどんな虐待よりも絶望的すぎる
https://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/10596/1524068680/

ずんぺい「これがオラの天職だで!」 syamuSS